ゲームのはなし諸次第

パラドゲーのAARを置くつもりの場所

加州富樫氏累代のこと

CK2 NMIH
1488年 加賀一向一揆シナリオ

はじめに

Crusader Kings 2(Paradox Interactive社)は、中世ヨーロッパの貴族の政治的生活を題材としたシミュレーションゲームです。他のパラド社作品、例えばHOIやEUシリーズに比べRPGとしての側面が強いゲームで、プレイヤーは当時の貴種の一門として一族の繁栄を目指していきます。

本記事は当作の大型MODである Nova Monumenta Iaponiae Historica(以下NMIH)を導入したプレイレポートになります。NMIHは1180年~1591年(2022年9月時点)までの中世日本をCK2のシステム上で再現しており、三英傑など有名どころの戦国武将はもちろん歴史的にはマイナーな「地元のお殿様」的国人層でもプレイすることができる傑作MODです。

※なお今やCK2本体はSteam上で無料で手に入れられますので、仏教徒プレイを可能にするDLC「Rajas of India」さえ購入すれば素晴らしいNMIHのゲーム体験を堪能することができます。お得‼

今回のプレイでは1488年の加賀国主・富樫氏を選択しました。史実ではこの年に一向一揆に国を奪われて戦国の世を生き延びることができませんでしたが、このプレイではどうでしょうか。

目次

プレイ環境

DLC :すべて
▪MOD :NMIH(β 20220821更新版)+日本語化MOD
▪特殊ルール:NPCによる養子ディシジョンの禁止、プレイ開始時の後継者の自動生成ナシ
▪プレイ対象:富樫氏
▪開始年月日:1488年 加賀一向一揆シナリオ
▪難易度 :Very Hard/Ironman mode

富樫氏について

富樫氏の八曜紋

富樫氏は加賀国の有力な武家であり、藤原北家魚名流の藤原利仁の次男・徐用が現在の石川県金沢市にあった富樫郷を与えられたことから始まる家とされています。

古くは源平合戦の頃から加賀の有力な武士として記述が残り、室町時代に至ると討幕時の功績をもって加賀守護職を任されて、これを継承していった代々の当主は富樫介(加賀介)を名乗りました。

室町時代加賀国は御料所や五山の寺領などが多く、守護権力が不安定でした。富樫氏による守護職継承も中央政界に左右されて何度か途切れており、一族内の内訌も起きたことが知られています。本AAR最初の主人公である富樫政親も大伯父や弟と守護職を争いました。

富樫家と本願寺の最初の関係は、こうした内訌をきっかけとしています。当初本願寺は富樫氏の家督争いにおいて政親の支援者でした。しかし結局は弾圧・反抗関係となり、最終的には1488年に長享一揆へ至ります。史実ではこれを機に本願寺(というより加賀一向一揆)は政親を攻め殺し、加賀の一国支配を確立しました。